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益川先生から高校生への問題:宇宙の大きさはいかほど?

テレビ番組『今年の高校生クイズ』で、ノーベル賞受賞者の益川敏英先生の出題で『宇宙の寿命が137億年とした場合、宇宙の大きさを計算せよ』というものがありました。ちょっと面白そうだったので考えてみました。

おおざっぱな宇宙の大きさの定義:
まず宇宙の大きさですが、どのように認識するかが重要です。私が考えたのは光の早さを基にした計算です。光の早さが一番早いということが根拠です。137億年前に発行した光が旅をして今目の前にたどり着いたとしましょう。その経路以遠の情報は誰も知らない世界であるといえるのではないでしょうか?なぜならばそれより遠い領域の情報は分からないからです。ましてやその存在があるかどうかも分かりません。したがって光が旅をする距離が宇宙の大きさをあらわす距離となると結論づけましょう(というか定義付けましょうというのがここでは正しい言い方かも知れません)。目の前には四方八方から光が到達します。つまり全く等方性があるのですね。従って宇宙は球状と考えてもいいと思います。その半径が137億年間光が旅をする距離といえます。

特殊相対性理論の拠り所:光速度の不変性:
いまニュートリノの速度が真空中の光の速度より早い結果が出たという話題がありますが、これは本当であれば今までの物理学における世界感を変えなければなりません。アインシュタインの相対整理論は真空中の光の速度は等速度の座標系において全く同じ値になることを根拠に成り立っています。これは1887年(明治21年)にマイケルソンモーリーが地球の公転速度(これが地球にいて一番速いスピードで動く座標系だったので)の差にもかかわらず光の速度は一定であると測定した所から始まっています。実はマイケルソンは光が波として伝わる媒体(エーテル)を発見するためにこのような実験を行ったのですが、その実験結果はエーテルの存在を確証させるものではなく彼にしては失敗に終わったのです。その後、そのようなエーテルという媒体は存在無しに実験結果を説明するアインシュタインの特殊相対性理論が1905年に発表されました。1905年は日本では日露戦争が勃発したときでしたね。相対論発表後現在に至るまでレーザーを使ったより精密な実験を行いましたが、それでも光の速度はその観測点の動きに関係なく不変であるという結果を得ています。

マイケルソンモーリーの実験:
縦方向と横方向に進む光の干渉を見ます。縦方向が媒体(エーテル)にたいして地球の公転速度(秒速30km)で動いていて横方向がエーテルに対して静止しているならば両方向の光に干渉縞が出れば縦方向と横方向の光に時間差ないしは距離差があると解釈できます。もし媒体があれば光は媒体にたいして速度が一定なので縦と横の光の速度が違うということもいえる訳です。しかし結果はそのような兆候はなかったのです。
400pxMichelsonMorley_experiment_(en)svg.png

このような流れから見て、上記のニュートリノの速度の話がもし本当であれば画期的なことなのですね。

物理理論の限界など:
物理学理論というのはかなり厳しい状況におかれることがままあります。一つでも理論の予測結果と違った観測結果が発見されその結果を説明できないとその理論は無効になります。ただし優秀な理論はそれが全く駄目になるのはなく構築された新理論の近似としてその生命を残すことも多いのです。ニュートンの力学を凌駕した相対性理論ですが、ニュートンの古典力学は光の速度に比較してかなり遅い速度を持った世界では相対性理論の近似論として十分実用可能であるといえます。

相対論のある係数を考えます:ある座標で観測される物理量(たとえば時間)とある等速度vで移動する別の観測系で観測される物理量(例えば時間)はaの値で変換できるというルールです。これをローレンツ変換といいます。その形は、

    latex-image-3_20111003223437.png

ここで等速度vが光速cに比較して小さい場合、つまりかなり遅い場合この係数は:

    latex-image-2_20111003222509.png

になります。ニュートンの力学ではこの係数は常に1になります。相対論では光の速度に近づくとこの係数は1から大きく外れます。これは我々の五感で経験している常識の考え方からも離れていくことを意味します。

ただ、vを地球の公転速度30km/sとするとこの係数は0.99999995になりほとんど1になります。したがって地球上で動いている物体は人工衛星(8km/s)等もふくめてだいたい上記のような誤差の範囲では全てニュートンの力学でその挙動を説明できるということです。ただものすごく敏感なことが大きく結果を変えるような事象では相対論を使わなければならない場合もあります。0.99999995の誤差が10万倍とか100万倍に増幅されて現れる事象を取り扱うときですね。身の回りにあるものですとGPSなどの時間の補正を特殊相対論と一般相対論を使って補正しているようです。でないと位置が大きくずれるそうです。何しろ時計の誤差が1日あたり1ナノ秒=1.16 x 10-14という所の誤差で勝負をしているので、0.99999995はとても大きな数字になるのですね。

宇宙の大きさの計算の試み:
さてもとの話に戻ってここでは光速度が一番速い速度だとして話を続けます。上記のように宇宙を球体と考えてその半径を137億年x真空中の光速度=Rとしますと、宇宙の大きさ(体積)は、単純に下記の式で表すことができます。

     名称未設定

あとはこれに実際の数字を当てはめるだけですね。EXCELで計算しました。(べつにEXCELでなく電卓でもいいのですが一応見栄えで)
宇宙の大きさ計算

9.1かける10の78乗(立法メートル)。この辺が番組内での正解であったような気がします。

しかしこの計算は正しいのか?
ただここではいろいろな仮定が想定されています。光が旅をするときに(1)宇宙の膨張に依る距離の変化、(2)重力による光の経路の変化による遅れの可能性などはこの計算で考慮されていません。これはひょっとすると思いのほか影響が大きいのかもしれません。

もう一つ、ちょっとビッグバンモデルを考えた場合に気になることがありますね。最初のビッグバンが発生したときは光が大きな物質のなかに閉じ込められて外に放たれなかったのではないか?初期の動きはまた別なものかもしれない。また137億年の間光は何の障害もなく旅を続けられたのか?ビッグバン時は相対性理論が成り立たなかったのではないかなどという説もありますね。光よりももっと速い速度で宇宙は膨張したのではないか?NASAのホームページにある模式図などを見るとますます混乱してきそうです。

更に宇宙の構成物でよくわからないのがダークマターとよばれるものがあります。これが光の旅程に影響をおよぼさないのか?などなど。やはり上記のような簡単な計算式であらわされるほど宇宙の大きさは一筋縄ではいかないのかもしれません。

NASAの宇宙観:
060915_CMB_Timeline150.jpg

そういえば137億年という宇宙の寿命も幾多の考え方や観測結果が交錯した結果出てきた数字でしたね。
KTの雑記帳過去記事:→ ビッグバンの彼方に

この辺の考え方などを参考にして宇宙の大きさについて何か面白いアイデアはありませんか?




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