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微分の応用:テーラー展開を試みてみよう。

はじめに:
高校三年の頃、ちょっと授業で触れるかもしれませんが、微分の応用としてテーラー展開を行うというのがあると思います。これは任意の何回でも微分が出来る関数(ものすごく滑らかな関数という感じがしますね)を線形のベキ関数の無限和で表すという事ですね。この公式はテーラー卿が考案しましたがその成立や証明にはいろいろな人々が絡んでいます。その特殊な場合をマクローリンが導いています。解析学上このテーラー展開は大変基礎的なものと考えられています。ここでは直感的にこのテーラー展開がどういうものかを見ていきたいと思います。

Taylor_Brook_Goupy_NPG.jpg  Colin Maclaurin_3
ブルック・テーラー卿とコーリン・マクローリン

テーラー展開を図で見れば:
まずテーラー展開を理解するために模式図上で考えてみましょう。関数f(x)のある点(a,f(a))の近くを直線で近似させようとした場合、この直線はy=f(a)+f"(a)(x-a)であらわせます。aから少し離れたx=a+∆xのところではこの直線と関数f(x)は少しは離れていますが、近くにいるので直線の値f(a)+f'(a)∆xはf(a+∆x)とほぼ同じとする。さらに高次の項の補正を重ねて原関数f(x)に限りなく近づくというのがこのテーラー展開の基本的な考え方です。
     模式図

したがって直線だけだと上記の図でもすぐ分かるように近似としてはさすがにいい加減な話になるので、助っ人としてxの2乗、xの3乗などもう少し乗数の大きいxを寄せ集めて更に近似を行います。aの近傍では、ほとんど大部分が1乗のxで補正され、後は微調整という感じになります。この考え方は結構重要です。以降の式の考察では常にaの近傍での近似はベキ関数でどのように表されるかにしぼって話を進めます。

多項式の係数を求める:
さてこの多項式を書いてみましょうか。
式1

ここで(x-a)は∆を意味します。いままで断ってきませんでしたが、f'(x)はf(x)の一階微分で、f''(x)は2階微分の事です。またfn(x)はn階微分とよんでください。ここまでは近似を表すlatex-image-1_20111022194648.pngをつかいましたが、今後は=をこれに変えて使います。厳格な統合の使い方は後述します。

さて今回の試みは上記式の係数Anを求める事です。n=1のばあい近似式は1次式になります。つまり直線ですね。f(a)で接する直線を考えます。点(f(a),a)を通って傾きf'a)の直線は 下記のように表すことができます。
式2

したがって
式3

式4

ですね。さてこの話を2乗の項まで入れるとどのようになるでしょう。2乗項で考えたx=a近傍での近似式は
式5-1

この式を展開して6項のxについての関数を得ます。この各々の項を微分します。
式5-2

両辺をxについて微分します。1項、2項はxに関係がない定数なので→0、3項目はf'(a)、4項目は2xA2、5項目は定数なので0、6項目は-2aA2になります。それをまとめると下記の式になります。
式6

この式を変形して
式7

左辺はxが0に近づくと
式8

となる事を考慮して
式9

同じようなやり方で3条項の係数A3を導きます。2次の場合と同じような計算を行います。次の式を考えてこれのA3を下記のように解きます。
式10-1

両辺をxについて微分します。
式10-2

さらにもう一度xについて微分をします。
式10-3

変形してA3を求める形にして、2乗の場合と同じくx→aとしてf''(x)-f''(a)を微小区間で割ったものをf'''(a)と考えれば:
式10-4

ここまで計算してくると一般項の形は予想できますね。
式11

これで上記の羃乗の和は下記の式で示されることが分かります。ただしここまでの議論はこのようになるであろうという推論で厳密な証明をした訳ではありません。
式12-1

少し厳密な話:
さて、この段階まではlatex-image-1_20111022194648.pngと完全なる=をあまり気にせずにやってきました。上記の説明はもともとx=aの近傍での出来事と仮定して多項式を導くことでした。実はもっと厳密な議論があります。高木貞治著『解析概論』のテーラーの公式を述べている章では、
式12-2
が成り立つ。ただし最後の項を剰余項といって関数の値はaではなくてξになっています。このξは、xとaの間のある値になります。
式12-3

この余剰項とよばれるもの次第ではx=aの近傍だけではなくx全般についてテーラー展開した無限の和で関数f(x)をあらわせるということですね。これはすごい事ですね。また、テーラーの公式は実数領域だけはなく、複素数に関しても成り立つというのです。

解析概論ではこの剰余項についてなぜこのような形になるのかを証明しています。ここでこの多項式は完全にf(x)に等しいことになります。この剰余項がn→無限大になったところで0に収束すればf(x)は下記の無限多項式であらわされこの多項式をテーラー級数とよぶと説明されています。この証明は解析概論(1961年度版)の62ページに詳しく与えられています。

式12-4

Amazonへのリンク → 定本 解析概論

例題:f(x)=sin(x)の場合のテーラー級数は上記の式に実際sin(x)の微分をおこなってかつa=0を注目近似点としてあらわします。この場合はマクローリン展開といいます。:
式13

sin(0)=0で偶数番目の項が消えるので、結局下記のようにまとめることができます。ここでmは1から始まる正の整数です。
式14

例題: f(x)=sin(x)の近似の状況をグラフで理解する:
EXCELでも当然計算が出来てグラフもかけますが、WEB上で数式を入力すると自動でグラフを書いてくれる便利な道具があります。(友人から教えてもらいました。)
これを使ってnを変えていけばどのように近似が変わっていくかを一目瞭然でわかります。
テーラー展開三角関数

この図でグラフは色分けされています。左の欄にグラフの式が入力されていて式の色がグラフの色と対応しています。f(x)=sin(x)のグラフを黒色としました。11乗の項まで計算してグラフ化しています。ここまでになると-5
1次項だけでは直線の近似で F'(0)=cos(0)=1のみが同じ値です。2次項、3次項を順次加えていくとxが0からはなれてもsin(x)に近い値になる範囲が増えていく模様が分かります。nを無限個加えると最後はsin(x)と同じ曲線になりそうです。

なおこのグラフサイトは→ Graphing Calculatorで操作することができます。

同じ事をエクセルでもやってみました:

エクセルに入力した式:
エクセル式
計算結果の一部
エクセル結果一部
計算結果のグラフ(上記のソフトと同じ)
エクセルテーラー展開ク#12441;ラフ

結構便利に使える一次近似:
近似のなされようがこのような多項式の和で表される事を経験するのは大事だと思います。とくに物理の現象を解く場合、近似の概念を導入する事が問題解決の早道である事は多々ある事です。たとえば、上記の三角関数でsin(x)ですが、xが0に近い所ではsin(x)=Xで近似してもこれを含む計算値はほとんど結果が同じです。それではこの近似では角度を何度位までを許せるのか見てみましょう。いまxはラジアンの数値が使われていますので、これを度に変換すると 3.14*180/X=度になります。エクセルで計算してみました。

  Approx_sin(x).png

三角関数誤差

上記の表から20度位の角度は3%位の違いをエイヤッとほぼ同じだと考えるとsin(x)の用な三角関数でなくxそのものが計算で使えるのです。振り子の等時性などの考察の場合はこの近似を使って式を出しています。まともに計算すると楕円積分になって解析的に解けません。まあそれでも数値解は上の計算では出てきますが。

こんなのもありますね。便利な式です。

  式番外編1

まとめ
もっと直感的に分かるように書きたかったのですが、私の頭の限界で今回は随分数式の多い記事になってしまいました。論理が飛ばないように説明を細かし、式の変形状態を徐々に行ったのでこのようになったと思われます。この手の話の場合、式を少なくすると変形が分からなくなった時点で理解できず興味が失われますのでね。まあいずれにしても式の取り扱いは結構めんどくさい話です。紙と鉛筆をはなさず、幾度も筆算で間違った末に分かるのでしょう。

多分最後まで読まれた方は努力賞に値しますね。ご苦労様です。これに懲りずにぜひ再訪問していただく事をお願いします。



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