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パーキンソンの法則:組織の行動論理、上役や部下には読ませられません。

Cyril N Parkinson今日はパーキンソンの法則について話をしてみましょう。多分皆さんがよくご存知の法則ではないかと思われます。まず彼の著書「パーキンソンの法則」を見てみます。この著書の中でパーキンソン博士は日常ありそうな事柄を彼一流のユーモアと皮肉を混ぜた描写をおこない、その事柄の奥に潜む基本的な法則は何なのかを述べています。その法則がいまや一般的に受け継がれているのです。左写真はCyril N Parkinson博士。 



パーキンソンの法則 (至誠堂選書)パーキンソンの法則 (至誠堂選書)
(1996/11)
C.N.パーキンソン、森永 晴彦 他

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パーキンソンの基本法則:
オリジナルはイギリス海軍の人員について述べたものですが、この法則が他の役所や官僚組織にも当てはまる事がよくわかるので時々シニカルな見方としでよく取り上げられています。この法則とは『組織の本来の目的に関わらずその組織の管理構成員は限りなく増大する。』というものです。組織の自己増殖願望と言いますか、イギリス流の洒落をきかせたジョークも面白い表現になっています。

まずは下記のデータを見てください。これはイギリス海軍省の組織人数の推移です。1914年と1928年のデータですが、ご存知のように1914年は第一次世界大戦が勃発した年であり、軍事の増強というものが必須であったのです。しかし1928年頃は軍縮が進んでいました。現に戦艦の数でいえば1914年には62隻会ったものが1928年では20隻になっています。それに従って直接戦闘員の人員も少なくなっています。ただしその縮小の割合は戦艦の縮小率に比べると低い値になっていますね。またここで重要なのは事務員と海軍省の人員です。軍縮にも関わらず人数は増加しているではありませんか。このような実データを前にしてパーキンソン博士は上記のような法則がその背景にあるのではないかと提唱しました。
海軍省の人数

上記のデータを注意深く観察して、パーキンソン博士は組織の人たちの行動様式を分析します。まず役人の行動様式を下記の力学で動くと考えます。

1) 役人は部下を増やす事を望む。しかしライバルは好まない。
2) 役人はお互いのために仕事を作り合う。

このようなミクロの話は組織が設立された本来の目的とは全然関係のないもので、一旦組織が作られるとどの組織であっても必ず包含している本質であるとも述べています。これに当てはめるとどのようなことが実際におこるか?

仕事量が多くなって来たと感じるAは同僚Bとその仕事をシェアしていく事は考えない。もし同僚の方がうまくいくとAの立場が危うくなる。したがって部下CとDを雇う。なぜ二人なのか、一人Cを雇ってそれが優秀だと自分が取って代わられるので、二人を雇って互いに競わせるのがAにとって都合がいい。Aの仕事をCとDに分割させておく事はAの立場を強くする。人が増えるとその時間を使うだけいろいろな仕事が増える。そのうちに仕事量が増えて来たCはAに部下が欲しいと具申する。その結果Cの下にEとFが雇われる。また同時に平等を保つためにDにも部下GとHがあたえられる。Cとドォ同じにしとく事はAにとって重要な事である。さてこのように人員が増加していくが、結局Aが一人でやっていた仕事が今やA、C、D、E、F、G、Hの7人でおこなうことになってしまったのです!

さてここからがパーキンソン博士の真骨頂です。上記のようなメカニズムを考慮してそれを数式化すると、

 

個々で各々のパラメータを描きのように決めています。

:部下を得て昇進を望む人員の数
:任官時と退官時の年齢差
:ある覚え書きに回答するために要する人・時
:管理されてる下部組織の数
:毎年新たに要求される人数

このように毎年新たに要求される人数が導かれますが、それでは増加の割合は上記の数式を使って組織の全員数をとして下記の式なると説明します。なおこの式はパーセンテージであらわされることになります。



この値は大体どのようなパラメータをとっても5%から6%の値になると説明します。しかしもう懸命なる読者はお分かりかもしれませんんが、上記の数式はディメンジョンも合っていなくて5-6%になる訳でもないので単なるジョークである事に気を付けなければなりません。

しかしながらここで言う所の事務職の数は組織の目的に関わらず増大するという事は結構散見する事でもありますね。便利だから人やものを増やすとか、常に人が足りないので増員をというような話はどこにでも転がっているものですからね。人が足りないという理由はいくらでもあります。それは必ずしもその組織の目的などには一切関係ない場合が多いのです。皮肉っぽく言うとこのような必要のない需要が世間の経済を動かしているのかもしれません。物理で言う所のエントロピーの増大という感じがしないでもないですね。

ちょっと脱線しますが、昔落語で演じられるある演目がありました。ケチな主人が雇い人の給料を節約するために一人に暇を出しました。けれども仕事は順調に動いています。それではと二人目、三人目と暇を出し、それでもうまく回ります。主人一人になってもできるので最後はじゃあ俺も要らないと言って終わってしまったという噺。これはエントロピーを縮小させるという多大な努力が必要だが、過ぎたるは及ばざるがごとしという事でしょうか。

更に話を本筋から逸らして、この法則は今の日本政府に当てはまるかどうかを調べましょう。日本の一般国家公務員数(現業を除く)の推移はどうなっているのでしょうか?下図に総務省発表の一般公務員数の推移を掲げます。
一般公務員数推移
おやおやこれはパーキンソンの法則が予測しているのとは違う推移ですね。一つ課題が生まれましたかね。これは次のどれかに当てはまります。
1) 法則が正しいにも関わらず、日本政府の人員抑制がうまいのか?
2) パーキンソンの法則が何かの例外処置(たとえば外郭団体が増えているとか)で破れているのか?
3) パーキンソンの法則が間違っているのか?
4) このデータが嘘?
もし法則が正しくて何らかの工作があるのであれば日本の公務員は大変したたかですね。外郭団体の要員数の推移も調べてみましょうか。あるいはパーキンソン氏の大いなるジョークか。

さて閑話休題、パーキンソン博士は別の法則も幾つか述べています。そのうちの一つを披露しましょう。
高度財政術:関心喪失点または凡欲の法則
人は身の丈に合うお金に関しては関心を払いますが、あまりに巨額な物やあまりに小額な物に関してはどういう訳か関心を失うようです。本著書に次のような一節があります。まず出だしが面白いですよ。
巨額の金を真に理解する人は二種類ある。第一は膨大な資産を持っているもの。巨額なお金を直感出来る立場にある人たち、次には殆ど飢餓状態にある人たち、例えば経済学者などは100万円であろうが10億円であろうがそれらを持った事もないので数字そのものとして理解できる。経済学者が飢餓状態というアイロニーが効いていますね。 社会はそうではないほとんどの人たち(億という金を手にした事はないが、100万円という単位には縁がある人々)が満ち満ちている訳ですね。多くの団体の財務委員会を構成しているのはそのような人たちな訳です。さてパーキンソン博士が提案しているのはそのような人たちで構成されている財政委員会では「議題の一項目の審議時間は支出額の大きさに反比例する。」という凡欲の法則です。

事例の紹介といきましょう:
議題1)原子炉の設置について、支出額は1000万ポンド、この支出額は第三者機関の検証済みで適切だという意見が具申されている。
内容の分からない人たちがほとんどで結局第三者の権威のある人がOKというならば問題がないだろうという事でとくに質問はない。唯一問題が分かっている人は第三者機関の検査官が適切かどうかの疑問があるが、この場で蒸し返すのは面倒と思い、何も言わず賛成になる。ということでこの議題にかかった時間は資料の配布も含めて2分位で可決となった。

議題2) 事務職員の自転車置き場の件、支出額350ポンド
委員からいろいろな意見が出る。この見積もりは高いなど自転車置き場の構造など屋根をアルミニュームよりアスペストが安いとか、トタンにすれば丈夫になるとか、、議論が進む。350ポンドは十分理解できる額であるし、自転車置き場は誰にでも分かる。結論は300ポンドになるかどうか再検討で結論。議論に要した時間は45分。

議題3) 共同福祉委員会の会合における茶菓、ひと月35シリング。年間20ポンド
委員から更に辛辣な意見が続出。アスベストやトタンの区別がつかなくてもコーヒーや紅茶は誰でも理解できる。1時間25分の時間を費やしおまけに秘書に次回までコーヒーの資料を集めさせて今回の委員会では結論を保留。
などなど。これも日常よく経験する事ではありますね。

さらにパーキンソン博士は続けます。これ以上支出が安くなったらもう何も議論せずにそのまま通過してしまう議題があるだろう。其の関心喪失点を超えるとこの凡欲の法則は「支出の額の大きさに議論の時間が比例する」180度変わってしまうかもしれない。と説明しています。この関心喪失点を研究する事は興味深い事かもしれません。
もし事務局が議事を無難に通そうとするならば支出額を喪失点以下の額にして小出しに繰り返し提出すればいいので。多分委員は議題も見ていないでしょうからこれは有効な手と思われます。

衆議院予算委員会

上の写真は衆議院予算委員会の討議風景です。まさかコーヒーの品種で侃々諤々の意見を交わしているのではないでしょうね。原子力の問題などもしっかりやってほしいと本当に思いますよ。しかし国会議員は原子力の深い知識を持っていないから、上記のケースと似たような議論が、まさか、おこなわれているのではないでしょうね。安心は国家が保証するとか何とか???よく理解している議員もいらっしゃるでしょうに。彼らは実質的な話をするためには原子力は何かという所から話をしないと他の議員さんが理解できないので、そんな事いくら時間があっても、、などと沈黙していたりして。

上記の二つのケーススタディーは内容の一部ですが、なかなか機微に触れた話が綴られていますね。これ以外にもいろいろな話題が本書には述べられています。

民衆の意思:中間派の理論
閣僚の定数:非能率の係数
人選の原理:採用試験と求人広告
非建設的建設:行政のしこり
人物映写幕:カクテルパーティの公式
劣嫉症(インジェリティティス):組織病理学
苦力(クーリキ)百万長者の話:中国風成功法
恩給点の解析:退職の潮時

あとは実際に読まれる事を進めます。しかし読後は本を机の中にしまって誰にも見せてはいけません。あなたはもう人生をうまく送る術を身につけていて、他人がそれを知らないという事が唯一の強みになるのでね。。。



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