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小石川植物園で科学に思いを馳せる。

先日小石川植物園に行ってきました。ここの正式名は東京大学大学院理学系研究科付属植物園小石川植物園と言います。東大はもう一つ小石川植物園の分園にあたる日光植物園を所有しています。もともとここは将軍徳川綱吉の白山御殿跡に徳川幕府がつくった小石川御薬園のあった場所(出典:リンク:植物園ホームページ)で320年の歴史を持つそうです。東京大空襲をかろうじて免れたのでしょうか、自然がそのまま残っています。

ちょっと変わっているのは植物園では直接入場券を販売していなくて、正門の前のお菓子屋兼タバコ屋さんで入場料を払い入園します。入ってすぐ左側の細い道を歩いていくとそこはもう武蔵野の林のように人の手の入っていない自然なままの植物を見ることができます。まだ紅葉には早いのですが、そろそろ色づいてくる種やまだ緑色が豊かな木々までその違いが面白いですね。日本庭園まで来ると東京大学総合研究博物館小石川分館が見えてきます。
IMG_9196_7_8_fused.jpeg IMG_9211_2_3_fused.jpeg

広場では幼稚園児が遠足に来ていました。イロハモミジのトンネルがあり紅葉の見頃にはさぞ綺麗な事でしょう。
IMG_9241_2_3_fused.jpeg IMG_9238_39_40_fused.jpeg

散策の途中にはオレンジ色に紅葉した樹木がありました。また温室の近くには大正7年当時、植物園内にあった東京大学植物学教室の柴田桂太教授が、植物生理化学の研究業績に対して授与された学士院恩賜賞の賞金寄付によって建設された「柴田記念館」がありました。植物園に残っているもっとも古い建物です。
IMG_9235_6_7_fused.jpeg IMG_9277_8_9_Tonemapped.jpeg

さてこの植物園には科学のシンボルとも言える二種類の植物があります。ニュートンのリンゴの木と、メンデルのブドウ棚です。なぜこの場にそのような植物があるのか?又その両者の功績に思いを馳せてみました。

ニュートンのリンゴの木

IMG_9256_7_8_fused.jpegこの木の銘版に次の説明があります。「ニュートンのリンゴ:物理学者ニュートンSir Issac Newton (1643-1727)が、リンゴの実が木から落ちるのを見て万有引力の法則を発見したという逸話は有名です。ニュートンの生家にあったその木は、接ぎ木によって各国の科学に関係のある施設に分譲されて育てられています。この木は昭和39年(1964)に英国物理学研究所長サザーランド卿から日本学士院長柴田雄次博士に贈られた枝を接ぎ木したもので、植物園でウイルスを除く処置を受けた後、昭和56年(1981)に植え出されました。」

下の写真は左から、ニュートンの著書プリンキピアの表紙、真ん中はニュートンのゆりかごと呼ばれている玩具、運動量の保存と力学的エネルギーの保存が具現化されている物です。そして右がNASAハッブル宇宙望遠鏡から見た銀河。全ての星は重力によって構成されている(相対論の補正はありますが)見事な渦巻きです。
Issac Newton-Principia-Mathematica_1-500x700 Newtons_cradle_animation_book.gif NASA_Space__image_Hubble scope

万有引力の発見では上記の逸話がもっともらしく流布していますが、本当はケプラーの法則(惑星は太陽を一つの焦点とした楕円軌道を動き、その速度は惑星と対応を結ぶ距離に比例する。また惑星の公転周期の2乗は軌道の超半径の3条に比例する)から考案されたとの事です。ケプラーの法則はケプラーの師ティコ・ブラーエの綿密な観測記録からだされたものなので、ニュートンの万有引力の法則は観測に則って帰納された物理法則ということになります。これは下記の式であらわされます。

     

球面積重力の大きさと物体の距離の関係をもうすこし直感的に理解する方法もあります。一つの物体から出る重力力線にもう一つの物体が影響されると考えます。左の図を見てください。太陽から出る重力線なるものが均等に拡散していくと太陽からの距離の二乗に比例して弱くなっていくので、重力は距離の二乗に反比例するという事が言えます。これは点光源から離れた所の照度にも言える一般的な関係ですね。Aが中心から出ている力の総和として、中心からRの距離にある点に加わる力を力線密度に比例すると考えると、

この式から分かるように重力は中心からの距離の2乗に反比例する。以上が簡単な考察です。


それとニュートンはその著書プリンピキアで運動の三法則を提唱しています。
(1) 慣性の法則:物体は力が加わらなければ等速度運動をする。
(2) 運動の法則:物体の加速度はその物体に加わる力に比例する。数式の表現は下記参照。
(3) 作用反作用の法則:その物体にかかる力には同じ大きさで方向が反対の反作用が発生する。
法則(2)の表現は、直交座標をつかって運動方程式を次の数式であらわす事です。



ここでFは力、mは質量、Lは長さ、tは時間をあらわします。この式は物理の中では最も基本的な法則をあらわす式として認識されています。

この有名な上記のニュートンの運動方程式は直交座標系でのみ表現が可能だったものをそれ以外の座標系(極座標や円筒座標など)から観測された運動をも説明できる一般化された運動方程式なる数式が数学者のラグランジェやハミルトンによって書き直されました。この変更は当初数学的な美しさをあらわす式として特に物理的な意味がなかったのですが、棚からぼたもちではありませんが、この形式の方程式が量子力学を記述するのに大変便利な形である事が後の研究で分かることになり、この形式に実際の物理的な意味が授けられるようになります。オリジナルのニュートンの運動方程式が2階微分であらわされていますが、ハミルトン形式ですと時間と位置の1階の微分であらわされ取り扱いがより楽になります。簡単なハミルトンの運動方程式を下記に示します。



Pは運動量、mは質量、Vは位置エネルギーです。

ここでHはハミルトニアンという関数でになります。qは一般化された位置、pは一般化された運動量、tは時間です。基本的には両辺がエネルギー保存という形になっています。ここでは一応触りだけにしましょう。


メンデルのブドウ:

IMG_9253_4_5_fused.jpegメンデルのブドウの前にも銘版があり、このブドウの由来が説明されていました。
「遺伝学の基礎を築いたメンデルが実験に用いた由緒あるブドウの分株です。第2代植物園長を務めた三好学が、大正二年(1913)、チェコのブルノー(ブリュン)にメンデルが在職した修道院(現在のメンデル記念館)を訪ねたとき、旧実験園に残っていたブドウの分譲を依頼して、その翌年に送られて来たものです。その後、メンデル記念館のブドウは消滅したことがわかり、本園のブドウを里帰りさせて、現地にも同じブドウの株を復活させました。」

下記の写真、左からグレゴール・ヨハン・メンデル(1822-1884)、メンデルの法則エレメントのはたらき、DNAの分子構造です。メンデルの仕事は遺伝子学の発展へと連綿と続く進歩の先駆けとなったものです。
Gregor_Mendel.jpg mendel.jpg dna-animation.gif

子が親に似るとはいかなる背景があるのか?何か世代で伝達されているものがあるのでないかと考えたメンデルはエンドウ豆をつかって遺伝の仕組みを考えました。1865年、チェコ、モラビア地方のブリュンの修道士であったメンデルは考察の結果、親から子に伝わる何らかのものがそのような相似性を伝達しているのではないかと考えそれをエレメントと呼びました。現在そのエレメントは遺伝子と呼ばれるようになりました。メンデルの法則とは上図のようにAAとaaというエレメントがどのように遺伝していくかを示した物です。これはエンドウ豆のしわとか背の高さとかを念入りに観察した結果導かれた法則で、
(1) 優性の法則:強いエレメントが次の世代では優性的に現れる。
(2) 分離の法則:親のエレメントは混じり合う事無く子孫に伝達される。
(3) 独立の法則:いろいろな遺伝のエレメントは独立に子孫に伝達される。例えばエンドウ豆のしわや背の高さは全く独立して遺伝される。
このようなエレメントの考え方が後の遺伝子学に大きな寄与をすることになります。この後もっと世代交代の早い(30分ぐらい)大腸菌等を使った遺伝のメカニズムや突然変異などの研究、ショウジョバエによって染色体の地図が明らかになり、ゲノムが解読されるという快挙がなされています。その後ワトソンが有名な二重螺旋のDNA(デオキシリボ核酸)の分子構造、塩基配列の組み合わせがわかるようになりました。

この辺の状況は自伝もかねあわせた柳澤桂子さんの著書に印象的に語られています。

二重らせんの私―生命科学者の生まれるまで二重らせんの私―生命科学者の生まれるまで
(1998/05)
柳澤 桂子

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今回も知的好奇心をくすぐるような面白い一日を過ごしました。



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