プロフィール

kazutabakun

Author:kazutabakun
好奇心旺盛でいろいろなことに興味を持つタイプ。

最新記事
Amazon
時計
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
FC2ブログランキング
気に入ったら下記をクリックしてください。

FC2Blog Ranking

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

映画「風立ちぬ」に登場する乗物達

今日9月6日、宮崎駿監督が「風立ちぬ」を最後に長編アニメから引退するとの記者会見がありました。今後は自由に活動するとの事。自由というのはいいですね。なにものにもとらわれず大空を舞う。理想です。

さて、話は「風立ちぬ」に戻りますが、物語の内容はいろいろな人たちがそれぞれの立場で感想を述べていますし、ご自分が実際に映画をご覧になって宮崎駿さんの投げた球を受けるのがよろしいのではないかと思いますので、ここでは映画に登場する乗り物について話をしたいと思います。主役は紙飛行機を本物にしたようなシルエットの九式単座戦闘機や零戦ですが、脇役として幾つかの機関車や飛行機が結構重要な役回りを演じていますね。

技術の舞台は日本、ドイツそれとイタリア。

堀越二郎や里見菜穂子が関東大震災に襲われた時に乗っている客車を牽引している8620型の蒸気機関車。列車は2等車と3等車が連結されていましたね。3等車は庶民、2等車は今のグリーン車クラスで、ハイクラスの人たちが乗車していました。二郎は2等車、菜穂子は2等車。ここでそれぞれの立場が分かります。学生は清貧が美徳の時代でしたね。
IMG_2362_3_4_tonemapped.jpeg

二郎が会社の仲間とドイツに訪れたときの列車を牽引していたのはドイツ鉄道の代表的な機関車BR18 (S3/6)。4気筒の機関車。
BR18 Screen
上記2種類の機関車を並べてみた場合、8620型機関車は日本が1914年に国内生産(基本は外国製8550のコピーのようなもの)した初めての小型機関車で速度は95Kmであったのと比べてドイツのBR18は1908年製造されもうすでに時速120Kmで走っていたのです。このように日本の技術はまだまだドイツに追いついていなかったことが分かります。このような背景をみると、高額の費用を負担してドイツに優秀なエンジニアを派遣する必要があったことがわかります。

二郎が軽井沢を訪れたときの碓氷峠を越えるアプト線とめがね橋。この機関車もドイツからの輸入品。
800px-JGR-10001-EL.jpg
IMG_4580_1_2_tonemapped.jpeg

ドイツの工業力の象徴として描かれた飛行機。ドイツのユンカース社G-38。主翼のなかにも人が乗れる構造。全体を当時最新のジュラルミンの波板で覆われていた飛行機です。映画と同じく、実際も三菱によって日本でライセンス生産されました。製造工場の横に滑走路のあったドイツに比べて日本では完成した飛行機を牛が滑走路まで運ばなければならなかった、この大きな違い。そこを克服して列強に引けを取らないあるいは凌駕する性能を持った飛行機を作るといういわばミッションインポッシブルな要求を堀越二郎をはじめとする若いエンジニアは請け負ったのでした。
8cf1b09e[1]

カプローニの飛行機(Ca-60)
少年時代の堀越二郎がカプローニの夢のなかでみた大西洋横断を目論んだ飛行艇。実際に存在したのですね。物語と同じようにうまく飛び立てなかったようです。実質本位のドイツの堅牢な技術に対比してカプローニの飛行機は夢を実現してくれる全く違った世界を示しています。
CaproniCa60.jpg

そうそう、話は乗り物から離れますが、里見菜穂子がスケッチしている姿を見た時、クロード・モネの日傘の女を思い出しました。青いそらに傘を持った婦人。キャンパスはありませんが菜穂子ですね。
d0241407_2161379-1.jpg  クロードモネ日傘の女 のコピー 

また印象に残った絵の一つ。暗い廊下を歩く菜穂子の花嫁姿。表情に芯の強さが垣間見えるのではありませんか?
           hanayome.jpg

相当前に書いた「紅の豚」に関するブログ → 紅の豚




スポンサーサイト

Comment

映画を観る前に読んでおきたかった・・・

kazutabakunさん 憶えていて頂けたでしょうか? 「Shay」に関するブログを拝見した時にコメントさせてもらった者です。 今回映画「風立ちぬ」に関係する情報を、とても興味深く拝見しました。そしてその情報量の多さに感心させられました。 私も映画は観ましたが、事前にこんな関連情報を知っていたら「映画が百倍楽しめた」だろうと思いました。

私は堀越二郎さんとは時代が違いますが、同じ技術屋として「計算尺」を使った経験もあるものですから、とても懐かしく思い、ヤクオクで2本ほど「計算尺」をゲットしました。そして使う当ても無い計算をしたりして半世紀前を楽しんでいます。 ( その間の模様は9月1日、7日、10日付けのブログに載せていますので、宜しかったらご覧下さい。)



非公開コメント